「自分でできた」が、心を強くする
〜能力感が育てる、子どもの行動力と自己効力感〜

ママやってー

できない、もう無理
子どもがそんなふうに頼ってきたとき、あなたならどう応えますか?
手を貸すのは簡単。でも、そのたびに子どもが失っているかもしれないものがあります。
それが、今回のテーマ——能力感(Capability)です。
能力感とは?
能力感とは、「私はできる」「やればできそう」と、自分の力を信じられる感覚のこと。
『positive Disipline』では、非認知能力を支える土台のひとつとして「能力感」を重視しています。
たとえば子どもが、
- 初めてボタンをひとりで留めた
- 自分でおにぎりを握った
- 友達に自分の気持ちを伝えられた
そういった経験のひとつひとつが、「できた!」「やれた!」という喜びとともに自己効力感として心に積み上がっていくのです。
「親がやってしまう」ことの落とし穴
親がすぐに手を出してしまうと、子どもはこう思うようになります:
- 「自分じゃ無理」
- 「どうせ失敗する」
- 「任せた方がラク」
特に、几帳面で優しい親ほど「つい手を出したくなる」傾向があります。
でもこれは、親が“できない子”をつくってしまう危険性があるのです。
能力感を育てるための4つのステップ
ステップ | 具体的な行動 |
1. まかせてみる | 最初から完璧を期待せず、「やらせてみる」。時間がかかっても見守る。 |
2. 小さな成功を積ませる | 洗濯物を1枚たたむ、朝の着替えを自分でするなど、できそうなことからスタート。 |
3. 結果より過程をほめる | 「ちゃんとできたね」ではなく、「よく工夫してたね」「自分で考えたんだね」とプロセスに注目。 |
4. 失敗を学びに変える | 失敗しても「やっぱりダメだ」ではなく、「どうしたらうまくいくと思う?」と問いかける。 |
親の「信じる力」が、子の「できる力」になる
子どもは、自分のことをどう感じているかよりも、親が自分をどう見ているかにとても敏感です。
- 「あなたならできると思うよ」
- 「失敗しても、ちゃんと応援してるよ」
このような親のまなざしが、子どもの中に「自分はできる存在なんだ」という認識をつくり出します。
能力感が育つと、どうなる?
能力感が育つと、子どもは:
- 新しいことに挑戦したがる
- 諦めずに工夫する
- 自分から動けるようになる
- 他人に頼らず、適度に助けを求められる
つまり、これは自己効力感・自立性・レジリエンスといった非認知スキルの重要な基盤です。
まとめ:「できる子」より「やってみようと思える子」に
能力感とは、できるかどうかの結果ではありません。
「やってみよう」と思える心のあり方のことです。
今日、子どもが何かをやろうとしている瞬間に、こう言ってみてください:
「大丈夫、自分でやってみて。きっとできるよ。」
その一言が、子どもの人生に何度もよみがえる「内なる声」になるかもしれません。
コメント