“自制心”が子どもを強く優しくする
「すぐに怒って泣きわめく」
「気分で行動が変わる」
「注意しても我慢できない」
こんな子どもの姿に、イライラしたことはありませんか?
でも、その“問題行動”の裏にあるのは、まだ未熟な自制心かもしれません。
自制心とは?
自制心とは、感情や欲求にすぐ流されず、自分で自分をコントロールする力。
怒り、衝動、誘惑、不安など、強い感情を感じたときに、どう行動するかを選べることです。
『Positive Disipline』では、「罰を与えて止めさせる」のではなく、子ども自身が内側から行動を調整できるようになることを目指します
なぜ子どもには自制心が必要なのか?
幼い頃に育った自制心は、のちの学力・人間関係・精神的な安定に強く影響します。
- 勉強でも遊びでも集中力を保てる
- トラブルのときに冷静に対応できる
- 自分を律しながら他人と協調できる
つまり、自制心は「人生を選べる力」。
逆に、自制心が弱いと、他人や環境に振り回されやすくなります。
自制心を育てる家庭での具体策
方法 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
1. 感情に名前をつける | 「今、怒ってるんだね」「悲しい気持ちなのかも」 | 感情を言語化できると、衝動から距離が取れるようになります。 |
2. 落ち着く「方法」を教える | 深呼吸・3数える・目を閉じる・ぬいぐるみを抱く など | 「怒っちゃダメ」より、「こうすれば落ち着けるよ」と具体的に。 |
3. ルールは一貫して伝える | 約束したことは守る・できたら褒める・ダメなときは落ち着いて話す | コロコロ変わるルールは、自制心の練習の妨げになります。 |
4. 「選ばせる」経験を増やす | 「今おやつ食べる? それとも夕飯の後?」 | 自分で選ぶ→結果を体験→次はどうするか考える。このサイクルが自制を育てます。 |
自制心は“しつけ”ではなく“支え”で育つ
自制心は、脳の発達に応じて徐々に伸びていく能力です。大人のように一度でできなくて当然。
だからこそ、失敗しても「あなたの中にはできる力がある」と伝え続けましょう。
罰や大声での叱責は、恐怖によって行動を止めるだけ。
本当の自制心は、「安心できる関係」の中でしか育ちません。
子どもに伝えてほしい魔法の言葉
- 「一緒に落ち着こうか」
- 「大丈夫、怒ってもあなたのことは大好きだよ」
- 「もう一回やってみよう。やり直すチャンスはいつでもあるよ」
こうした言葉が、子どもの心に「自分は感情をコントロールできる存在なんだ」という信念を育てます。
まとめ:自制心とは「自分を信じて扱える力」
自制心が育った子どもは、誰かにコントロールされなくても、自分で選び、動くことができます。
それは、将来どんな場面でも「自分の人生を自分で引き受ける」力になるのです。
今日から、まずはひとつ、「落ち着く方法」を親子で一緒に試してみませんか?
親の姿を見ながら、子どもは自分を整える力を学んでいきます。
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