非認知能力の重要性がますます取り沙汰にされていますが、どうやって高めていくか、ということを知る前に、非認知能力の中身を知っていくべきではないかと考えています。ここでその一例となる「7つの感知力」についてご紹介します。

ポジティブ・ディシプリンで紹介されている「七つの感知力と技能(Seven Perceptions and Skills)」は、子どもが生きる力(非認知能力)を育むために必要な土台とされている重要な概念です。これは、罰や報酬に頼らず、内発的な動機と社会性を育てる教育の柱でもあります。
以下にそれぞれを簡潔に説明します:
■ 7つの感知力とスキル
(The Seven Perceptions and Skills)
分類 | 内容 | 解説 |
1. 帰属感(Belonging) | 「私はこの家族(集団)の一員だ」と感じる力 | 家族やクラスなどの中で自分の役割や居場所があると実感すること。安心感と自尊心の基礎。 |
2. 意義感(Significance) | 「自分には価値がある」と感じる力 | 他者からの尊重と貢献によって、自分の存在が意味を持つという感覚を育てる。 |
3. 能力感(Capability) | 「私はできる」と思える力 | 自分で問題を解決したり、努力が実を結ぶ経験を通じて養われる。叱責ではなく“任せる”ことで育つ。 |
4. 自制力(Self-Control) | 衝動を抑え、自分で行動を調整できる力 | 外的な罰ではなく、内的な判断で行動を選ぶ練習を重ねることで獲得される。 |
5. 責任感(Responsibility) | 自分の行動に責任を持つ力 | 自分の選択がもたらす結果を学ぶことで、選択と責任のつながりを理解するようになる。 |
6. 問題解決力(Problem Solving) | 自分や他人の課題に対して建設的に対処する力 | 喧嘩や対立をきっかけに、どうすればよかったかを共に考える習慣で養われる。 |
7. 共感と尊重(Empathy and Respect) | 他人の感情や立場を理解し、尊重できる力 | 罰を通じた服従ではなく、対話を通じた関係性の構築を重視することで形成される。 |
■ これらが育つとどうなる?
- 勉強ができる/できない以前に、自己肯定感と協調性が高い子になる
- 社会に出ても折れないレジリエンス(回復力)を持つ
- 「正しさの押しつけ」ではなく、自ら考える力が育つ
■ 親ができることは?
- 家庭会議で話し合いの習慣を持つ
- 選択肢を与えて、子どもに決めさせる
- 間違いを“罰”ではなく“学び”として扱う
- 子どもに「ありがとう」「どう思う?」と日常的に尋ねる
これから一つずつ、中身を解説していきたいと思います。
コメント