怒らずに伝えるには?4ステップで親子関係が変わる

1-3歳

「また怒鳴ってしまった……」
夜、子どもが寝た後にふと襲ってくる罪悪感。言いすぎたなと思っても、次の日にはまた同じパターンで怒ってしまう――そんな経験、ありませんか?

子育てにおいて、感情的になるのは誰にでもあること。でも、怒りに任せた言葉は、伝えたい本当の気持ちをかえって届きにくくしてしまいます。

今回は、怒らずに、でもしっかり気持ちを伝えるための「非暴力コミュニケーション(NVC)」という方法をご紹介します。
ポイントはたった4つのステップ。これを知るだけで、親子の会話がぐっと穏やかに、そして本音に近づきます。


ステップ1:「観察」する — 評価を手放して事実を見よう

最初のステップは、“評価せずに観察する”ことです。

たとえば、

あなたってほんとにだらしない!

という言い方は、子どもにとっては「人格への攻撃」に感じられ、防衛的になります。

でも、「ソファに制服が脱ぎっぱなしになっているよ」と伝えるだけなら、事実だけにフォーカスでき、相手も受け取りやすくなります。

✔ NG:「また片づけてないじゃない!」
✔ OK:「床に靴下が置きっぱなしになってるね」

評価や決めつけの言葉をはさまず、その瞬間に見えている事実だけを述べる。それだけで、会話の空気が柔らかくなります。


ステップ2:「感情」を素直に伝える

事実を伝えたら、次は自分の感情を表現すること。

つい「ちゃんとしてよ!」と責め口調になってしまうとき、その裏には

疲れている、わかってほしい・・・

といった自分の気持ちがあるはずです。

✔ NG:「もう!なんで何回言ってもできないの?」
✔ OK:「私は疲れていて、ちょっとイライラしてるの」

ここで大切なのは、「あなたが悪い」ではなく、「私はこう感じている」と主語を自分にすること(Iメッセージ)
自分の感情を正直に言葉にすることで、子どもは責められているとは感じず、親の気持ちに耳を傾けやすくなります。


ステップ3:「ニーズ」を明らかにする — 感情の奥にある望み

人は、満たされないニーズ(=必要なこと、大切にしたいこと)があるときに、感情が動きます

たとえば、「イライラする」という感情の奥には、

安心して過ごしたい、協力してほしい・・・

という願いがあるかもしれません。

✔ NG:「どうしてわかってくれないの?」
✔ OK:「私は、部屋が整っているとリラックスできるの」

自分の気持ちを表現するだけでなく、その背景にある「大切にしたいもの」を伝えること。
それが、ただの感情の発散ではなく、関係性を深める会話に変える鍵になります。


ステップ4:「リクエスト」する — 命令でなく、提案として伝える

最後のステップは、「どうしてほしいか」を具体的に、そして提案の形で伝えること。

✔ NG:「今すぐ片づけなさい!」
✔ OK:「今できそう?それともご飯のあとにやる?」

命令や強制ではなく、選択肢を提示することで、子どもは“自分で選ぶ”という自主性を持てます。

ここでのポイントは、「要求」ではなく「お願い」にすること。
断られても話し合える余地を残すことで、親も子も無理なく歩み寄ることができます。


4ステップまとめ:親子で「つながる」話し方

ステップ内容例文
観察評価や判断をせず、事実だけを伝える「床に靴下があるね」
感情自分の本当の気持ちを伝える「私はちょっと疲れてるの」
ニーズその気持ちの背景にある願いを伝える「私は落ち着いて過ごしたいの」
リクエスト命令でなく、具体的に提案する「今片づけられそう?それとも後で?」

おわりに

この4ステップを実践しても、最初はうまくいかないかもしれません。つい怒りが先に出てしまう日もあるでしょう。
でも、大丈夫です。親だって人間。完璧じゃなくていいのです。

大切なのは、子どもと「敵」ではなく「チーム」として向き合うこと。
言葉の使い方を変えるだけで、親子の関係性は、驚くほど変わります。

次にイライラしそうなとき、「観察→感情→ニーズ→リクエスト」の4つのステップを、そっと思い出してみてください。

あなたの言葉は、ちゃんと子どもに届きます。

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