叱らない=甘やかしではない!しつけの境界線とは

1-3歳

はじめに

「最近の親は叱らなすぎ」「それじゃ子どもがわがままに育つよ」
こんな言葉、耳にしたことありませんか?

たしかに「叱らない育児」と聞くと、「放任している」「甘やかしている」と感じる人もいるかもしれません。
でも本当にそうでしょうか?

実は、「叱らない」と「甘やかす」はまったく違う行動です。
違いを理解し、適切な“しつけの境界線”を知ることこそが、子どもの自律や社会性を育むカギとなります。


「叱らない」って何もしないことじゃない

「叱らない育児」とは、怒鳴らず・暴力を使わず・人格を否定せずに、ルールや期待を伝える育て方です。

つまり、「ちゃんと伝える」「正すべきことは伝える」が前提。
そのうえで、感情に任せた強制や脅しは避けるという選択なのです。


「叱らない」と「甘やかし」の違いはここ!

項目叱らない育児甘やかし
基本姿勢子どもの気持ちを尊重しながら、境界を伝える子どもを喜ばせることが最優先
ルールの扱い明確なルールを伝え、理由も共有するルールを曖昧にしたり、その場しのぎで変える
結果への対応子どもの行動に責任を取らせる失敗しても親がすぐカバーする
子どもの役割一緒に考え、選ばせ、自分で決める親がすべて決め、子どもは従うだけ
親の姿勢感情的ではなく、冷静に関わる「いい親」でいたいがために迎合する

「叱らない」しつけの基本3ステップ

🟡 1. 期待とルールは“あらかじめ”伝える

たとえば「おもちゃは寝る前に片づけようね」と前もって伝えておくことで、事後の衝突が減ります。

✅ NG:

なんでまた出しっぱなしなの!


✅ OK:

今日は寝る前に何を片づけるんだったかな?

🟡 2. 困った行動は“共感+リクエスト”で伝える

たとえば子どもがスーパーで寝転がってしまったとき…

✅ NG:

恥ずかしいからやめて!


✅ OK:

疲れたんだね。でも通路は歩く人がいるから、座るのはベンチにしようか

叱らずに、でもこちらの願いをきちんと伝える。この“優しくかつ毅然とした”姿勢が大切です。

🟡 3. 結果に責任を持たせる

「やらなかったから全部ママがやってあげる」ではなく、できる範囲で自分の行動に向き合わせる

今日お弁当箱を出さなかったから、明日はおにぎりだけになるけど大丈夫?


これは“罰”ではなく、“自然な結果”として経験させること。
そうすることで「行動には影響がある」と理解できるようになります。


こんな声が増えています

怒るのをやめたら、逆に子どもが話を聞くようになりました

“どうしたらいい?”と聞くと、自分で考えるようになりました

これは、子どもが「否定される怖さ」から解放されたことで、自分の頭で考えたり、自分から動いたりできるようになった証拠です。


でも、優しくするだけじゃダメ?

もちろん、ただ優しく接していればいいわけではありません

大切なのは、こうしたバランスです:

要素内容
やさしさ子どもの感情や立場に共感する
毅然とした態度必要なことはぶれずに伝える

この両方があってこそ、「叱らない=甘やかしではない」育児が成立するのです。


おわりに

怒らずに伝えるのは、簡単ではありません。
でも、それは決して「子どもに甘い」ということではなく、「本当に伝わる方法」を選んでいるということ。

親が冷静であろうとする姿勢は、子どもにとって何よりの“しつけ”になります。

叱らない=何もしない、ではありません。
叱らない=考えて、選び取る、愛のかたち。

あなたの“伝えたい”が、きっとやさしく、強く、子どもに届きますように。

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