〜“困った行動”の裏にある、大切な発達のサイン〜
ごはん中に立ち上がる
スーパーで走り回る
静かにしてと言うほど大きくなる声…
1〜3歳の男の子を育てていると、毎日「なんでこうなるの!?」の連続。
育児書に書いてある「ルールを教えましょう」「一貫性をもって叱りましょう」は試した。
でも…うちの子は全然きかない! そう感じていませんか?
でも安心してください。
その“落ち着きのなさ”は、実は健やかな成長の証かもしれません。
● 男の子の脳は“動きながら”育つ
男の子の脳は「行動」や「運動」を通して発達する傾向が強いといいます。
とくに前頭前皮質(感情のコントロールや判断を司る部分)の発達は、女の子よりもゆっくり。
つまり…
じっとできないのは、意志が弱いからじゃない
叱られても同じことをするのは、学習能力が低いからじゃない
「まだ脳が未完成だから、動きながら覚えていくしかない」という段階なのです。
● 「困った行動」は、発達の出口
例えば:
- 同じ本を何度も読みたがる → 記憶を定着させている
- 座っていられない → バランス感覚や筋力を育てている
- 叩く、押す → 社会的距離感や力加減の学習中
こうした行動は、いずれ消えていく“発達の通過点”。
親がイライラしてしまうのは当然ですが、「今ここで育ってる」と視点を変えるだけで、少し気持ちが楽になります。
● “落ち着かせる”より、“動ける場所”を用意しよう
男の子には「静かにする」よりも、「思いっきり動く時間」の方が必要です。
たとえば:
- お部屋にマットやトンネルを置いて、ジャンプできるスペースを確保
- ソファのクッションを積んで“登っても怒られない山”にする
- スーパーに行く前に、5分だけ外で追いかけっこ
動いて発散してからの方が、かえって静かにできることもあります。
● それでもイライラ…そんな時の3つの視点
- “うちの子だけじゃない”
男の子の育児に悩む声は世界中にあります。あなた一人ではありません。 - “悪気はない”
走るのも、叫ぶのも、全部「いま育ってる証拠」。叱られても理解できないこともあります。 - “10回言っても伝わらないなら、やり方を変える”
「ダメ!」だけじゃなく、言い換えたり、代替案(「ここでは走れないけど、おうちでジャンプしよう」)を用意してみてください。
● まとめ:落ち着きのなさ=のびしろ
今、あなたの目の前にいる“落ち着きのない”その子は、これから想像もつかないくらい成長する途中です。
感情を爆発させたり、注意が散漫だったりするのは、むしろ豊かな神経発達のサイン。
「うちの子は、動きながら世界を学んでいる」
そう思えるだけで、ちょっと育児が楽になります。
子どもの行動 | 親が困る理由 | 実はこんな発達のサイン |
座っていられない | 食事や絵本の時間に集中できない | 体幹・平衡感覚の発達途中 |
同じ遊びを繰り返す | 親が飽きる・片付けが進まない | 記憶と学習の強化プロセス |
すぐに走り出す・飛び跳ねる | 危ない・注意しても聞かない | 筋力・反射神経の発達 |
大声を出す・叫ぶ | 公共の場で迷惑に感じる | 声帯と自己表現力の成長 |
友達を押す・叩く | ケンカやトラブルになる | 社会的距離感と力加減を学習中 |
じっと人の話を聞けない | 集団行動で浮いてしまう | 注意力と聴覚処理の発達段階 |
危ないことをしたがる | 怪我が心配・ヒヤヒヤする | 好奇心と危険認識の境界を学習中 |
物を分解する・壊す | もったいない・片付けが大変 | 分析力と因果関係への興味 |
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