自分でやる!」と叫んだ3秒後に「やってよぉ〜!」と泣き出すうちの子…。
これ、あなたのご家庭でも起きていませんか?
1〜3歳ごろの子どもは、自立の芽がぐんぐん伸び始める時期。靴を履く、服を脱ぐ、おもちゃを片付ける――「自分でやりたい」という気持ちは本物。でも、まだ手先は不器用、注意も続かない。結果、「やりたい」と「できない」のあいだで混乱し、泣いたり怒ったりの“イヤイヤ”モードに突入するのです。
そんな時、親はどう対応すればよいのでしょう?
今日は、親子で楽しみながら自立を応援できる仕組みをご紹介します。
● 「できた!」の成功体験を貯める:TFCRSとは?
TFCRSとは、The Family Chip Reward System(ファミリー・チップ・リワード・システム)の略。
簡単にいえば、「自分でできたこと」に対して、子どもがカード(またはシール、スタンプ)をもらい、それを好きな遊びやおやつと交換できるという“家庭内ごほうび制度”です。
ポイントは「褒める」ではなく、「結果を“目に見える形”で残すこと」。
たとえば:
- 「靴を自分で履けた」→カード1枚
- 「おもちゃを片付けた」→カード2枚
- 「泣かずにトイレに行けた」→カード3枚
集めたカードで「大好きなDVDを観る」「お気に入りのお菓子を食べる」など、子ども自身が“交換”を選べます。これは、自立心と責任感の育成にもつながります。
● イヤイヤ期に効果的な理由
1〜3歳の子どもにとって、「できた!」という実感は自信のもと。でも、まだうまく言葉で表現できない時期なので、「カードをもらう=認められた」という実感が、自己肯定感を高めます。
しかも、
- 「できない」と泣く → 大人が助ける → できた風になる
よりも、 - 「ちょっと頑張ってできた」→ カードもらえる
の方が達成感が段違いです。
● はじめ方はとても簡単
1)カード(またはシール)を一緒に作る
100均のシールやおはじき、手作りの色紙でもOK。自分で選ばせるとモチベーションUP!
2)「できたことリスト」を明確に
たとえばこんな風に表にして貼っておくと◎:
行動 | ママの手伝いあり | 自分でできた |
---|---|---|
靴を履く | 1枚 | 2枚 |
お皿を運ぶ | 1枚 | 3枚 |
トイレでできた | 2枚 | 3枚 |
3)交換ルールを決める
例:
- カード5枚 → 好きなアニメ30分
- カード10枚 → コンビニでアイス1個
- カード15枚 → 公園で特別タイム!
子どもと一緒にルールをつくると、主体性が育ちます。
● ママ・パパに伝えたい3つのコツ
- 最初はハードルを下げること
「やりきる」じゃなくて「やり始めただけでも1枚」でOK。
→ 最初は“やる気スイッチ”を押すことが大事。 - 否定や罰に使わないこと
「できなかったからカードなし」はNG。
→ 子どもは萎縮してしまい、失敗を避ける子になります。 - “交換”も一緒に楽しむ
「5枚集まったね!どうする?」とワクワク共有。
→ 親子の関係性が“指示−従属”から“パートナー”に変わります。
● まとめ:自立は“遊び”の延長から生まれる
「自分でやりたい!」の気持ちを、無理なく、楽しく支援すること。
それが、イヤイヤ期の“矛盾”とつきあういちばんの近道です。
そして、自立とは「全部一人でできること」ではありません。
**「誰かに手を借りながらも、自分の力で前に進もうとする意志」**のこと。
TFCRSは、その一歩を踏み出すための“見える応援”です。
ぜひ、明日から小さくはじめてみてください。
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